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プロフ・ぱどタウン探訪記4――驚愕の「自営業」
 旅行に行ったりWBCにうきゃうきゃしたりうっかり食中毒になったりしているうちに少々間が空いてしまいましたが、探訪記4をお送りしたいと思います。
 今回はぱどタウンに焦点を絞り、画像関連の話をしていきます。
 前回までにも書きました通り、「ぱど厨」騒動のそもそもの発端は画像の無断利用でした。
 ぱどタウンにまつわる問題の多くはこの画像利用周辺にあるのですが、まず先に、ぱどタウンの装飾用画像として一般的に使用される「壁」と「藍」の用語について説明を。

■壁
 壁=壁紙。つまりユーザーページの背景として使われる画像です。
 一般のWebサイトではコンテンツの可視性を重視して壁紙はシンプルなものにする、またはテーブルなどと併用してコンテンツ部分には表示しないようにする、という配慮がなされるのが普通ですが、ぱどタウンはそもそもメインとなるコンテンツがない=部屋そのものがコンテンツ、という認識があってか、原色バリバリだったり文字がカメレオンしていたり、あまつさえ模様が光ったり動いたりという派手で目立つものが好んで利用されているようです。
 サンプル収集中に油断して「目が、目がああぁぁ!」となることも多々でした。

■藍、専藍(アイ、専アイ)
 藍=アイ=アイコン。前回の「カキ=夏季、花卉」といい、カナ語や略語をぱっと見が綺麗で難しげな漢字にしたがるのは誰にでも記憶のある若気の至り的行為と言えましょうか。
 アイコンと一口に言っても様々ですが、ぱどタウンにおける「藍」は掲示板への書き込みの際に利用する小さな飾り画像を意味します。
 このアイコンにHNなどを描き込んだり独自の加工をしたりと「私の!」的意思表示がされた物を、特別に専藍=専用アイコンと呼び分けているようです。
 例を挙げますと、こんな感じです。

  2009年3月16日2時25分  プロト さんより
  専用アイコンの例
  初めまして!
  このアイコンはサイトバナーの30秒リサイクルです!

■規約変更前
 こうした装飾に使われる画像は、主に素材サイト・イラストサイトのものでした。素材サイトで公開されている画像素材は規約を守れば利用に何の問題もないはずだったのですが、ぱどタウンには画像のアップロード機能がないため、あらかじめタウンで用意されたもの以外の画像を表示させるには、外部への直リンクしか方法がありません。もちろん直リンクでの素材使用はまずNG。
 その2で書いたように、2004年6月の規約変更以前、ぱどタウンは外部画像の直リンク表示オールオッケーな仕様となっていました。そのため、壁紙・アイコンともに外部の既存の画像を無断で引っ張ってきて利用する、という行為が横行し、「ぱど厨」騒動へと繋がります。
 結果、規約変更によりぱどタウンから外部への直リンクが禁止に。これにて画像の無断利用問題は沈静化したかに見えました。

■規約変更後
 直リンクが禁止になっても、アップローダー「Poche」によってなんかあんまり事態変わってなくね? という状況になったのは前の記事の通りです。
 「Poche」を利用したぱどタウン専用の素材サイトが誕生するなど、良い影響があったのも確かですが、この「ぱどタウン」⇔「Poche」という回りくどい構造をきっかけに、ますます深淵を覗き込んでしまったようなヘンな新文化が生まれてきました。
 それが「あp」と「自営業」です。

■あp(うp、あぷ)
 これはわかりやすいですね。外部では「うp」と使われることが多いかと思いますが、「UP」の俗語です。ぱどタウン内では「Poche」に画像をアップロードして利用できるようにすることを指します。
 「Poche」は低額ながら有料サービスであるため、利用しているユーザーは一部。そのPocheユーザーに向けて、「あpして!」とおねだりする様子が共通掲示板などで頻繁に見られます。おねだりに応じるユーザーがいるのかどうかはわかりませんが……
 この「あp=Pocheを利用できること」は一種のステイタスとなっているらしく、その他の行為(「絡み」など)の「お礼」とされることもあるようです。外から見ると「いいのかそれで」と思われるようなきっぱりしたギブ&テイクが行われているのもぱどタウンの特徴と言えます。

■自営業(お店)
 自営業、すなわち自ら営む事業……。初めて目にした時は?で頭が一杯になった用語でしたが、ぱどタウンにおける「自営業」とは、「素材屋」とほぼ同義です。なんでこんな名前になったのか? あくまで推測でしかありませんが、ユーザープロフィールで設定できる職業に存在する「自営業」を素材屋を始めた誰かがジョーク半分で利用し、それが広まった……といったところではないかと。
 この「自営業」は主にぱどタウンの外部で運営されており、そうして別に作られたサイトは「店」とも呼ばれます。「自営業」を名乗るユーザーがまずタウン内で宣伝をし、外部の「店」へリンクを張って、ぱどタウンユーザーのための壁紙や専用アイコンを配布する、といった流れ。配布と「あp」を両方フォローしている店もあれば、「あp」は自分で何とかしてね、としている店もあります。
 使う場所が限られているだけで、別に普通の素材サイトとあまり変わらない……と思いきや、この「自営業」は、そこらの素材サイトマスターの目が軽く200海里は飛んでいきそうな、驚愕の文化を有する素材屋なのでした。

■自営業の内側――完全受注制
 ぱどタウンの「自営業」にまず特徴的なのは、多くが「完全受注制」であること。つまり、ユーザーの注文を受けてからその要望に沿った素材を作る、ということになります。
 確かに名前の入った専用アイコンなどは個別に注文を受けなければ作ることができませんが、素材製作者に物凄く負担のかかってしまいそうなシステムです。現に、たくさんのサイトで「注文が溜まっていて……」という呟きが見られたりします。
 一人じゃまかない切れない、ということで、「係り」を雇っている店も多くあります。

■自営業の内側――係り
 調査時はこれが最後まで謎でしたが、解けました。どうやら「自営業」専属のお手伝いさんのことを「係り」と呼んでいるようです。
 仕事はタウン内での宣伝や「Poche」へのアップロードなど。ちゃんとお給料としてアイコンなどが配布されているようで。なんともはや、な世界ですが、紛れもない事実。

■自営業の内側――土台
 こうして営まれている「店」には大抵の場合「注文書」といった名前で壁紙やアイコンの注文内容を書き送るフォームが設けられており、注文者はそこから素材のサイズ、形、色、雰囲気、入れる文字、土台のアドレスなど細かい仕様を管理人に伝えます。と、ここで。
 「土台のアドレス」?
 疑問と共に嫌な予感が湧きますが、嫌な予感の通り、「土台」とは、「元となる画像」のことです。
 つまり、「自営業」の管理人が作る壁紙やアイコンは、ほとんどの場合「何か外部の画像を加工して作成したもの」であるのです。
 えええーと思いつつサンプルを見れば、明らかに漫画やアニメなど公式からの転載であったり、あるいはイラストサイトからの転載であることがわかる画像が多数。それらを「土台」と言い切るすがすがしいまでの邪気のなさに顎が外れそうになりますが、やっぱり事実です。
 さらにこうした「店」には素材の利用規約に「パクリ・再加工・自作発言は禁止!」といったどの口でそれを的記述が見られることが多く、外れた顎が200海里飛んでいきそうになります。
 こうした「土台システム」はどの「店」を回ってもほぼ共通、既に確立された仕組みで、一体いつ頃から始まったのかまではいまいち調べ切れませんでした。しかし04年の「ぱど厨」騒動の頃には存在していなかったのは確実で、おそらくここ1、2年でできあがったものなのではないかな、という予想です。

■自営業の裏側――也・折・架空
 サンプル素材などを見ればわかるのですが、「自営業」を営むユーザーは概ね一般のユーザーよりも知識があり、画像の加工・サイトの作成などは一定レベルでクリアーできています。
 それがなぜ完全自作ではなく、既存の画像を使うのか? より突き詰めると、なぜぱどタウンで既存の、特にアニメや漫画のキャラ画像、芸能人の写真画像が求められるのか? それには「也(ナリ)」「折(オリ)」「架空」と呼ばれるユーザーの存在が関係しているのでは、と思われます。
 「也」とは特定の既存キャラ、「折」とは特定の既存作品を下敷きにしたオリジナルキャラ、「架空」とは完全オリジナルキャラの、いわゆる「なりきり」です。
 ぱどタウンにはこうしたフィクションのキャラクターや現実の人物になりきって振舞うなりきりユーザーも数多く、同じ名前のキャラや芸能人がそこらにごろごろしていたりします(なりきりではない普通のユーザーのことを区別して「一般」と呼ぶ場合も)。そうしたユーザーがより強く自分のキャラクターになりきるために、そのキャラクターないし芸能人の画像を欲しがる、という次第なのです。
 画像加工技術を持たないなりきりユーザーが自分の好きな画像を探してきて「自営業」管理人に伝え、技術を持つ「自営業」管理人がそれを加工して壁紙やアイコンにする、という関係が成立し、そんな経緯から、「店」には「也・折・架空さん専用」と謳っているところが多く見られます。

 さらさらっと書いてきましたが、この「自営業」、これだけを見ても容易にわかるように、明らかにダメダメな行為です。人の絵を無断で拝借し、あまつさえその呼び名が「土台」。元も明記せず加工・再配布し、おまけに自分の著作物と大声で主張する……という、ある意味単なる無断利用よりも大元の著作者さんの血管がぴくぴくしそうなダメが重なってしまっていると言えます。
 すげェ世界だ……と生ツバを呑んだのが、昨年のことでした。
 しかし。
 このすげェ世界に、ここ数ヶ月でさらに大革命が起こっていました。

■自営業の革命――「著作権法違反画像は……」
 自営業サイトはぱどタウンユーザーの中でも限られた一部のユーザーのものであって、数はさほど多くありません。また、配布されるアイコンや壁紙がほぼリンクウェアであるため、タウン内からかなり容易に探すことができます。そうした流れで、一ジャンルのようになった「店」同士には強い横の繋がりが発生しています。「店」に書かれた規約や注文の様式が各所で似通っているのもそのあたりから来ているものと思われます。
 こういった繋がりの中では、大手とされるサイトの発言には強い影響力があるものです。今度の革命も、一つの「店」から始まったもののようでした。
 ある自営業サイトの管理人が、「今後、著作権法に違反した画像は取り扱わない」とサイト上で大きく宣言をしたのです。
 多くの場合こういった発言は少数派・異端として切り捨てられがちなものですが、前述の通り、この「店」は有名な大手サイトであったらしく、繋がりの強さから宣言は広く行き渡りました。宣言は詳細に書かれており、解説サイトにリンクが張られていたこと、罰金など具体的な著作権法違反の罰則に触れられていたことなども重なり、かなりの説得力を持って受け入れられたようです。
 この全ての大本と思われる宣言が08年10月末、それから数ヶ月、方針変更に賛同する「自営業」管理人がじわじわと増え始めます。
 今年に入って方針を変更したと書いている「店」の多いこと! 「自営業」というシステムに愕然としていたところにこの変革、正直、非常に驚きました。もともと横の繋がりの強いサイト群ですから、少し広まってしまえば後はもう芋づる式だったようで、違反への意識うんぬんと言うより「このままじゃヤバい」という感覚が強く作用したのかもしれません。

 前にも少し書きましたが、ぱどタウンやプロフなどの狭いコミュニティでは、「流行」が現実世界よりも重要な指針となっています。流行っているものは確実に多くのユーザーが求めているもの、流行っているものは格好いいものなのです。そうした意味では、「自営業」も流行の職業の一部、と言えます。
 共通掲示板などの一部の書きこみを見るに、今、ぱどタウンでは「著作権法違反画像を使っていないアイコン・壁紙が超トレンド!」ということになり始めているようです。冗談のような話ですが、この認識がスタンダードになる日も来るのかもしれません。

■自営業のまだまだ
 とは言え、こういった方針に賛同していない「自営業」サイトもまだまだ存在しています。また、「自営業」管理人の皆さんは平均して随分お若いので、やや誤った認識が広がってしまっている部分もあるようです。
 まず、この記事ではきっちり長々と「ちょさくけんほーいはんがぞー、ちょさくけんほーいはんがぞー」と書きましたが、ぱどタウン周りでは概ね「著作権画像」という名称が使われているのがごく個人的に気になります。なんかこう……違わない?
 そして、元の利用の経緯から「キャラクターや、人の顔の画像」を加工・二次利用するのは違反だよ、という理解が広まっているのはいいことなのですが、これだけは言っておかねば。
 「自営業」の皆さん、風景写真にも著作権は存在します!
 加工はオッケーでも、二次配布はダメ、としている写真提供サイトは多くあります。こんなところで言っても仕方がないですが、良く規約を読みましょう。そのへんのブログやサイトから写真画像を持ってきてもダメー、です。
 これだけじゃなんなので、最後にパブリックドメインで写真を公開している場の紹介なぞ。
 「頽廃」(写真素材サイト)
 「Public-domain-photos.com」(英語写真サイト)


 「自営業」についてはあまりにぱどタウン独自文化だったため、卒論には全く使えませんでした。書けてすっきり。
 今度の革命は論文終了時点ではほとんど発見できていなかったことで、ここまで追ってきていて良かったなぁと少し感激した出来事でした。
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